認知症ゆえに、お約束のラブコメ展開にならなかった二人。~立川心療内科マンガ

目次
◆ 認知症になっても「愛」は消えない?
近年、高齢化社会が進む中で、老人ホームや介護施設での入居者同士の恋愛やトラブルが話題になることが増えました。
「認知症になったら、昔の記憶は残っても、新しく生まれた恋愛感情は忘れてしまうのではないか?」
と考える方もいるかもしれません。
認知機能が変化しても、人の感情や愛情はどのように残るのでしょうか?
今回は、認知症と恋愛感情の持続性に関する考察と、
高齢期に熱い感情を持ち続けることの心理学的・生理学的なメリットについて解説します。
◆ 認知症が影響するのは「記憶」であって「感情」ではない
認知症、特にアルツハイマー型認知症では、
一般的に「新しいエピソード(出来事)の記憶」や「新しい人物を覚える能力」が障害を受けやすくなります。
そのため、ドラマや漫画のような、新しく知り合った相手と起きた出来事を詳細に覚えておくような恋愛関係を築くのは難しいかもしれません。
しかし、記憶と感情は脳の異なる領域で処理されます。
たとえ、相手の名前や、いつどこで出会ったかを忘れてしまったとしても、
その人と一緒にいるときに感じた「心地よさ」「安心感」「幸福感」といった感情や、愛情そのものは、
記憶よりも深く、長く残る可能性があるのかもしれません。
◆ 施設でのトラブルが証明する「恋愛感情の持続性」
実際に、老人ホームなどの介護施設で、入居者同士が知り合い恋愛関係になるという話はよく聞かれます。
時には、特定の異性を取り合って、ご家族が驚くようなイザコザが生じることさえあります。
これは、認知機能が衰えても、人間が根源的に持つ「愛されたい」という強い感情欲求や、
特定の人に惹かれる恋愛感情が、非常に長く持続する証拠と言えるでしょう。
相手を「好き」だと感じるその熱い感情は、新しい出来事の記憶よりも、むしろ
「一緒にいるときの幸福感」という形で、長く心に刻み込まれているのかもしれません。
◆ 熱い感情を持ち続けることが心身を若返らせる
高齢期に恋愛的な熱い感情を持ち続けることは、単に楽しいというだけでなく、心と体の健康を維持する上で非常に重要です。
熱い感情は、脳を活性化させ、ドーパミンやオキシトシンといった幸福感や愛情に関わるホルモンの分泌を促します。
これらのホルモンは、ストレスの軽減、免疫機能の維持、そして活動的な意欲の向上に貢献します。
いくつになっても誰かにときめいたり、大切に思ったりする気持ちを持つことは、
生きる活力を与え、心も体もイキイキと若く保つための、最良のメンタルヘルス投資なのです。
◆ まとめ
- 認知症になっても、新しい出来事の記憶は忘れても、恋愛感情や幸福感は長く持続する可能性がある。
- 高齢期になっても、異性を取り合うなどのイザコザが起こるほど、恋愛感情は根強い。
- 恋愛的な熱い感情を持ち続けることは、脳の活性化と意欲の向上につながり、心身を若々しく保つために非常に重要。
ぜひ、いくつになっても誰かに心をときめかせ、イキイキとした気持ちをもって、人生を楽しんでいただければ幸いです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
(完)



