「パンがなければ、ケーキを食べればいいじゃない」と同じノリで話してしまったマリーアントワネット。~立川心療内科マンガ

◆ マリー・アントワネットは「ケーキ」を勧めていない? 噂が暴走する心理

「パンがなければ、お菓子(ブリオッシュ)を食べればいいじゃない」。

あまりにも有名なこのセリフ。 実はこれ、彼女の言葉ではないって知っていましたか?

ルソーの自伝に出てくる逸話が、 なぜか彼女の発言としてすり替わり、世界中に広まってしまったんです。

◆ なぜ、嘘が「真実」になったのか?

言ってもいないことが、なぜ事実として定着したのか。 ここには、「確証バイアス」という心理が強く働いています。

当時の民衆は貧困に苦しみ、贅沢な暮らしをする王室を憎んでいました。

「彼女は我々の苦しみなんて知らない、冷酷な人間に違いない」 「そうであってほしい(そのほうが攻撃しやすい)」

そんなふうに「信じたいストーリー」が先にあったんです。

そこへ、イメージにぴったりのセリフが流れてきた。 民衆は検証することなく、 「ほらやっぱり! 彼女なら言いそうだ!」 と、飛びついてしまったわけです。

脳は、自分の思い込みを補強する情報だけを集め、 それ以外を無視してしまうクセがあるんですね。

◆ 「あの人ならやりかねない」の罠

これ、現代の僕たちもやってしまいがちです。

苦手な上司や、あまり知らない相手に対して、 「あの人は冷たい人だ」というフィルター(確証バイアス)をかけていませんか?

そう思い込んでいると、 相手がたまたま忙しくて返事が短いだけでも、 「ほら、やっぱり冷たい!」 と、悪意として受け取ってしまいます。

マリー・アントワネットの悲劇は、 「レッテル貼り」がいかに真実を歪めるかという、歴史的な教訓でもあるんです。

「あの人なら言いそうだ」

そう思ったときこそ、一度立ち止まってみるチャンス。 噂やイメージではなく、 その人の「本当の言葉」や「事実」を見るように心がけたいですね。

そうすれば、無用な人間関係のトラブルを、未然に防げるかもしれません。

今回の話、何か少しでも参考になることがあれば幸いです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。

(完)