お酒をやめてなかった患者。~立川心療内科マンガ

◆ 「ちょっとずつ減らす」は、実は地獄の道

お酒やタバコをやめようとするとき、
よく聞く方法があります。

・1日の量を半分にする
・回数を徐々に減らす
・週に何日かだけ我慢する

一見すると、無理がなく、賢いやり方に見えますよね。
でも実はこの方法、いちばん苦しく、長引きやすい方法なのです。

なぜなら、
『少しだけ続ける』ことが、
かえって『もっと欲しい』気持ちを強めてしまうからです。

◆ 心理学が示す「欲求が強まる仕組み」

心理学では、報酬が不完全に与えられると、
欲求がむしろ強化されることが知られています。

これは『部分強化効果』と呼ばれ、
「完全にもらえない」よりも、
たまにもらえる状態が、いちばん執着を生む
という現象です。

スロットマシンがやめられないのと同じ仕組みですね。

お酒やタバコを
『少しだけ』『今日はこれくらい』
と続けていると、

・まだ飲めるかもしれない
・もう一本くらいなら
・次はいつだろう

と、頭の中が常にそれで占領されてしまいます。

これが『減らすほど苦しくなる』正体です。

◆ だから一番ラクなのは「すぱっと完全にやめる」

意外に思われるかもしれませんが、
心理学的に見ると、
いちばんラクなのは『完全にすぱっとやめる』方法です。

完全にやめることで
欲求と交渉する必要がなくなるのです。

『今日は飲んでいいか』『何本までならいいか』
こうした判断や迷いは、脳をとても消耗させます。

完全にやめてしまえば、
その交渉自体が消え、苦しさは意外と短期間で落ち着いていきます。

◆ それでも「完全にやめるのは厳しい」人へ

もちろん、
『いきなり完全にやめるなんて無理』
そう感じる方も多いでしょう。

その場合におすすめなのが、
『やめる』ではなく『休む』という発想です。

・とりあえず1週間休んでみよう
・今月は飲まない期間を作ってみよう
・今日は使わない日、と決めてみよう

これは心理的ハードルが一気に下がります。

『一生やめる』と思うと重いですが、
『ちょっと休む』なら、脳は受け入れやすかったりするのです。

そして不思議なことに、
休んでいるうちに
『あれ?意外といけるかも』
と感じる人はとても多いのです。

◆ まとめ

お酒やタバコをやめるとき、
『少しずつ減らす』のは、
一見やさしく見えて、実は最も自分の気力も体力も消耗します。

もちろん「完全にやめるのは厳しいよ」という方は、

まずは
「とりあえず少しの間、休んでみよう」と考えましょう。

今回の話、何か少しでも参考になることがあれば幸いです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。

(完)